応用行動分析で見える子どもの変化

応用行動分析で見える子どもの変化

私は現在、発達障害のある子どもたちが通う支援施設で働いています。その中で、近年特に注目されている支援方法のひとつに「ABA(応用行動分析)」があります。

ABAは、子どもの“行動”に着目して支援していくアプローチです。「行動から相手の心の状態を理解する」という視点を持つことで、本人の気持ちや成長の兆しをより具体的に捉えることができます。

この“行動に注目する”という手法の最大の利点は、支援に関わるすべての大人たち――家族、保育士、教員など――が、共通の視点で子どもを理解できる点にあります。

たとえば「最近成長してきたね」というあいまいな表現ではなく、「授業中に毎回3回以上手を挙げられるようになった」といった明確な行動で伝えることで、支援チーム全体で情報を共有しやすくなります。

ABAでは、単なる行動だけでなく、その前後にある「きっかけ」と「結果」にも注目します。子どもがある行動をとったことで、良い結果が得られたと感じれば、その行動は繰り返される――これがABAの基本的な考え方です。

ただし、「良い結果」とは子どもによって異なります。褒められることが嬉しい子もいれば、静かにそっと見守られることが心地よい子もいる。

一人ひとりの特性を見極めながら、その子に合った「ポジティブな結果」が得られるよう工夫して支援を行っていくことが求められます。

私自身、ABAを取り入れてからまだ日が浅く、試行錯誤の連続です。けれども、子どもたちの「できた!」という瞬間を行動で可視化できるこの支援法には、大きな可能性を感じています。

これからも、子ども一人ひとりの強みを見つけ、のびのびと成長を後押しできる支援を目指していきたいと思っています。
三郷市の療育

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