~発達の遅れを乗り越えて~2歳目前の息子が歩いた瞬間
育児書には「赤ちゃんが歩きはじめるのは1歳前後」と書かれていましたが、うちの息子は成長がゆっくりで、市の発達検査でも引っかかってしまいました。
息子は体重が重くて、ハイハイもゆっくり、まるで亀のようにのっそりと動いていました。お座りも「ドッコイショ」といった感じで、動作がのんびりしていました。
子育て広場に行くと、周りの子どもたちがヨチヨチと歩いている中で、うちの息子だけがコロンと横になっている姿を見て、不安を感じていたことを覚えています。それぞれのペースがあるからと自分に言い聞かせていましたが、心配は尽きませんでした。
そんな息子も1歳半になり、ようやく机につかまりながら、少しずつ歩くようになりました。ひざ歩きから始まり、ついに立てるようになった時は、胸が熱くなりました。
ぬいぐるみを片手に、つかまり歩きをする息子の姿を写真にたくさん収めましたが、すぐに歩き出すかと思えば、そこからがまた長い道のりでした。つかまり歩きが4、5カ月続き、なかなか手を離して歩こうとしません。息子の臆病な性格も影響しているのかもしれません。
2歳が近づく頃、周りの子どもたちは元気に走り回っているので、焦りも募りました。私たちも一緒に外で散歩したいなと、いつも思っていました。
そしてある日、息子がいつものようにつかまり歩きをしている時、何気なく私が両手を広げてみたのです。すると、息子も真似をして、パッと両手を広げました。なんと、何にもつかまらずに立っているではありませんか!
そのまま2、3歩ヨチヨチと歩いて、私の方へ倒れ込んできました。思わず息子をぎゅっと抱きしめて、涙がこぼれてしまいました。
ついに息子が歩けたのです。この感動は、成長がゆっくりだったからこそ、なおさら大きかったと感じています。